バングラディッシュスタディツアー

こんにちは!受け入れ事業部開発ビジネスプログラム2年の大槻です!

本格的な春の訪れを感じるこの季節、次年度に向けて
新たな活動の計画を練り始めていますが、
本年度の最後の活動として、先ごろ3月1日〜9日までの1週間強、
バングラデシュスタディーツアーにメンバー3名で行ってきました!

この1年間、私たちは「貧困問題」をテーマに活動してきましたが、
自分たちが実際に貧困地域に足を踏み入れ、発展途上国
「貧困問題」の現状を見て学ぶとともに、得た経験を日本の高校生に
発信することを目的に掲げて赴きました。

30度を超すうだるような暑さの中、最初の2日間と最後の1日は
現地アイセックメンバーとともにダッカ市内を観光、
間の4日間で、グラミン銀行関連のNGO
「グラミン・コミュニケーションズ」のスタッフとともに、
エクラスプールという農村を訪問、滞在しました。

ダッカ市内では、まず人の多さ、そして交通渋滞に目を奪われました。
道路にはリキシャ、ベビータクシーなど5、6種類の乗り物が通行しており、
その間を物乞いが縫って歩いていました。

私立小学校に通うために自家用車で送迎されている子供がいる傍ら、
道端で生活しているストリートチルドレン、手や足がない物乞い、
道にあふれ出る汚水や大量のゴミ…、確かに私たちが見たダッカはほんの一部ですが、
実際に少なからずの人々が過酷な状況の中で生活していることを
生で感じることができました。大きな格差がありつつも、
れっきとしたひとつの社会のシステムが存在しているということを。


農村では、うって変わってやわらかい雰囲気が支配していました。
何よりも、人々のあたたかさ、気さくに接してくれる子供たちに
心を打たれました。彼らも決して裕福な生活をしているわけでは
ありませんし、子供たちすべてが学校に通っているわけではありません。
小学校では、学年があがるにつれて、学校に通うことのできる子供の割合は
どんどん減っていくという現実も聞きました。
村には働き口が少ないので、兄弟のほとんどが海外に出稼ぎに行っている
という農家の人もいました。私たちがこの村の人々と話すことで
もっとも深く感じたことは、「お互いに助け合って生きていること」。
小学校では学校に来なくなった子供を心配して、他の子供たちが一緒に様子を
見に行ってあげることもあるそうです。会う人すべてが、私たちのことも
最大限にもてなしてくれました。
その暖かい心が、村を、そして人々の生活を支えているのではないでしょうか。



普段、私たちは何の不自由もなく「勉強」しています。
農村からダッカに戻る船の途中で、ひとりの少年に出会いました。
彼は、「両親は病気で死んでしまったんだ。」と言って、
小学校をやむを得ず中退し、船の中でモノを売り歩いています。
肉親を失うこと、そして大好きな学校をやめることは、
どれだけ辛かったことでしょうか。しかし、彼に残された道は、
自分が生きるため、残された家族のために「働く」という選択肢しかありません。
色々な問題抱えつつも、日本がいかに恵まれた国であるか、
そしてこの日本を作ってくれた人々にどれほど「感謝」しなければ
ならないのか、改めて深く感じました。


今回のバングラデシュ訪問では、まず私たちを喜んでもてなしてくれた
現地のアイセックメンバー、グラミン・コミュニケーションズの
スタッフのかたがたに感謝しなければなりません。その上で、
いったい「先進国」の日本に住んでいる私たちが、様々な問題を
解決するために何ができるのか、その前に日本でも解決しなければならない
問題があるのではないのか、など深く考えさせられました。そのためにも、
今回の経験をしっかりと私たちの中で整理をし、今後の人生を生きていく上で
活かしていきたい、心から思いました。

文責:アイセック京都大学委員会受け入れ事業部
   開発ビジネスプログラム 2年 大槻浩之