カンボジアスタディツアー(後半)

今回は私たちPoverty Solution Programメンバーのカンボジアでの
スタディツアー(後半)について報告します。

4日目は船でプノンペンからシェムリアップ
豪華客船を夢見ていた僕たちですがそこそこの船に揺られシェムリアップに向かいました。
僕はその船の中でファイヤーマンのオーストラリア人の男性と仲良くなりました。 

そして朝早かったためほとんどのメンバーが爆睡・・・
そしていざこざがあったものの無事にかものはしプロジェクトへ。
かものはしプロジェクトでは児童買春・人身売買に苦しむたくさんの子どもや女性に
職を与えており、被害者・加害者の両方に対するアプローチを行っています。
ここで働いている女性は60名で貧困層の中でも貧困層であり、
人身売買に出されうる女性を選んでかものはしプロジェクトで
働かないかと声をかけた女性だそうです。
そこでは女性たちが楽しそうに働いており、作られている筆箱、名刺入れ、
カバン、水筒入れなどの商品のクオリティーの高さに驚かされました。

ここで働く女性たちは一日1ドルで働いており、富裕層との格差に矛盾を感じました。
個人的にかものはしプロジェクトさんの樋口さんに
世界のNGO事情の話を聞くこともでき将来についての見聞をより一層広げることもできました。
やはり実際に見て聞くのが一番勉強になるなと感じました。


5日目は丸一日世界遺産観光です。カンボジア世界遺産と言えば、アンコール遺跡!
朝日に照らされるアンコール・ワットが見たいということで、
前日にチャーターしたトゥクトゥクに乗ってホテルを朝5時すぎ(ちょっと寝坊)に出発!
無事朝日が昇る前に到着して、朝日に光るアンコール・ワットを見ることができました!
なんとも美しい。これぞ世界遺産、という貫禄を見せつけてくれました。

その後はアンコール・ワット内を見学。
石の回廊などがとても荘厳で、アンコール・ワットが寺院だということを思い知りました。

次はアンコール・トムへ!
ここもアンコール・ワットと同様に石造の寺院なのですが、
たくさんの観世音菩薩の顔の彫刻があることで有名です。

荘厳…ですがアンコール・ワットに引き続いてずっと石ばかりなので
多少飽きつつも広大な土地を歩いて見学。

お昼を適当に食べたら次はタ・プロームへ!
ここはアンジェリーナ・ジョリー主演の「トゥームレイダー」のロケ地になりました。
木の幹が遺跡を這うように伸びていて、自然の力のすごさを感じられる神秘的なところです。
なんだかジブリの「天空の城ラピュタ」を思い出してしまいました。

次にスラ・スランという湖にも行きました。
現地の子供とトカゲ(?)で遊んだり、
クメール語で話しかけてみたりしながらしばし休憩…。
現地の物売りに「そんなの関係ねぇー」「おっぱっぴー」など(古い…)
と話しかけられてびっくりしました。

観光が終わってホテルに戻り、しばらく各自自由時間。
私は「クマイユーン」というお店へ。
ここは、前日にかものはしプロジェクトの工場を見学させていただいたときに
教えていただいたお店で、農村女性支援につながるかものはしプロジェクトや
その他のNGOの活動に関係する商品、フェアトレード商品を置いています。
かわいいお土産を数点購入して満足しました。そして夜はご飯を食べた後、
上回生のサプライズで遅まきながら1回生の歓迎会!
コーラ1人4本計48本(330mL×4本=1.2L/1人…)の宴会…。
途中からコーラの一気飲みがトランプの罰ゲームとなりました…。
そんなこんなで一部は夜を徹してトランプに興じていました。

約1週間のスタディーツアーも明日が最終日。
日本をちょっと恋しく思いつつ、夜は更けていきました…。


カンボジア6日目は、シェムリアップからプノンペンへの移動で始まりました。
5時間ほどのバス移動でプノンペンに到着すると、
カンボジアのアイセックメンバーがお出迎えしてくれました。
昼食のあと、いざアイセック・カンボジア委員会のあるプノンペン大学へ。
授業の合間を縫って集まってくれたプノンペンのアイセックメンバーと交流しました。
アイセック・カンボジア委員会は40名ほどのメンバーで運営されており、
設立されて数年と新しいですがとても活気に溢れていました。
英語での交流はやはり大変でしたが、
皆とても温かく迎えてくださり楽しい時を過ごすことができました。
すでに始業していたプノンペン大学の構内は沢山の生徒で賑わっていて、
図書館では真面目に勉強する生徒たちも見られました。
大学の雰囲気は日本の大学と変わりはないようです。
そしてカンボジア・アイセックメンバーと共に最後のプノンペン観光へ繰り出しました。
王墓観光や市場での買い物を楽しんだ後、
アイセックメンバーのおすすめで地元グルメを堪能しました。
あひるのヒナをそのまま煮たベイビーダッグやカエルの天ぷらはなんとも衝撃的ではありましたが、
どちらも鶏肉のようでとても美味しかったです。
カンボジアの人々の食文化に触れる貴重な体験をすることができました。

その後アイセックメンバーとお別れし、夜のフライトで全員無事に日本へ帰国しました。
長いと思われた6泊7日のスタディーツアーも終わってみればあっと言う間。
様々なものを見て、多くの人と話し、色々なことを考えた、充実したものとなりました。
この経験は、今後のアイセックとしての活動に生かしていくことができると思います。



スタディツアー、それは私たちに何をもたらしてくれたのでしょうか。

現地NPONGOの訪問…現地アイセッカーとの交流…いろいろなハプニング…
仲間との楽しい日々…思い返せば様々な出来事が浮かんできますが、
なんと言っても“生で”カンボジアという国を経験できたことが
今回のツアーで一番良かったことではないかと思います。
今までの情報としての途上国というイメージとは違う生のカンボジアという国を
体験することができ、具体的な途上国という国についての認識が深まったように思います。
貧しい人々だけでなく、いろいろな富裕層もいるなかで、
教育制度などが発達していないためにどんどん経済格差が広がっていき、
人々は貧しさから脱却する機会すら得られない。
また、生活することに精一杯で自国民としての誇りを
あまり持てず諸外国に頼りきりになってしまう。
その結果として、国内での技術が発展しにくいため国としての成長が阻害されてしまうのです。

かものはしプロジェクトやカンボジアNGO、JHP学校を作る会などのように
海外からの支援も必要ではありますが、
後にそれらのプロジェクトが現地の人のみで運営されるようになることが
最も望ましいというお話も伺いました。
一言で支援といっても様々なかたちの支援があり、
またそれら全ての支援が地域の人々とのかかわり方や意識の違いなど
難しい問題を抱えているということを学びました。

本当にいろいろな面で充実したスタディツアーでした。

文責:アイセック京都大学委員会 送り出し事業部
   Poverty Solution Program 
   立石有貴、道久真理絵、金子美咲、若井将貴