ケニアスタディツアー

こんにちは、Broadening Horizons Program1回生の妹川陽香です。
私たちはこの夏、ケニアへ約10日間のスタディーツアーに行ってきました。
その内容を簡単に報告します。

ケニアでは、現地のJICA訪問、日本とケニアの交流会への参加、
ストラスモア大学訪問などを行いました。
JICA訪問ではJICAの現状や私たちの掲げるテーマについてお話を伺いました。
JICAは相手国の要求に対して長期的な技術的、物的協力事業を行う団体で、
インフラ整備、人材育成など様々な分野において活動している組織であり、
現在ケニアでは83人のスタッフが活動しているそうです。
今後の課題として、技術に重点をおき、政治的要求を提示しない傾向にある
日本の協力体制を、国際政治という観点からの取り組みに変えていくことが
必要とのことでした。
また、私たちからの質問に対するお話を伺う中で、
国際舞台で活躍する人材に求められていることは何かについて、
改めて深く考えさせられました。

日本大使館では日本ケニア学生会議の方々による交流会が行われており、
私たちもそれに参加させていただきました。
日本文化である折り紙や習字、ケニア文化であるビーズアクセサリーの
制作などを日本人、ケニア人メンバーと共に楽しみました。
ナイロビの私立大学であるストラスモア大学では、
お茶会での生徒の方々との歓談の後、日本語の授業に参加させていただきました。
今回は音便の授業が行われており、普段私たちが無意識に使っている言葉が
教えられていることに新鮮味を覚える一方、
日本語を文法的に説明することの難しさを実感しました。
授業の後半には私たちが用意してきた日本や大学についてのプレゼンを行い、
反対にケニアやストラスモア大学の紹介もしてもらいました。
ケニアでは日本の漫画が大変人気とのことでした。
昼食後は日本語クラブの方々と交流を行い、割り箸の使いかたを説明したり、
折り紙で鶴を折ったり、じゃんけんの紹介をしたりしました。
英語で上手く説明することができず苦戦したものの、ジェスチャーなどを使って
コミュニケーションを図るうちにしだいに緊張もほぐれ、
互いに打ち解けあうことができ、大変充実した時間を過ごすことができました。


日本語クラブでじゃんけんを教えている様子


日本語クラブの人との集合写真

滞在後半には、去年インターンシップで日本を訪れていたエラスタスさんと共に
ナイロビ観光をし、翌日からは2泊3日でマサイマラにてサファリを楽しみました。
マサイマラは都会であるナイロビとは全く異なる大平原地帯で、
野生動物たちが弱肉強食の摂理の中で生きる姿を間近で目にすることができ、
メンバー一同興奮気味でした。また、マサイの村を訪ね、
伝統的なマサイの生活ぶりを見ることもできました。


サファリの様子


サファリの様子

最終日前日の晩にはナイロビのアイセックメンバーと交流する機会があり、
互いの委員会の現状についての情報交換などをしました。

ナイロビは危険なところだと聞いていたため、はじめはかなり警戒していましたが、
実際それほど治安が悪いとは感じませんでした。
しかしエラスタスさんの話では、ケニアではまだ教育体制が十分に整っておらず、
それが治安の悪さに繋がっているとのことでした。
またケニアには町と町とを繋ぐ鉄道が存在せず、移動手段が自動車かバス、
タツ(相乗りタクシーのようなもの)などに限られていたためか、
交通渋滞が多かったのが印象的でした。
交差点には信号があるものの全く機能しておらず、横断歩道も緑では渡れず
交差点あたりに立っている警察の指示に従う、といった感じでした。
現地の人も横断歩道のない車道を平然と横切っていくので驚きました。


道路の様子

ナイロビ市内から出ると、都会の風景から一変して、プランテーション農場が
広がる農村地帯や、貧しい村々などが次々と目に入ってきました。
バンが停車している最中には多くの人がものを売りに来ましたし、
マサイマラへの道中ではGive me something.と言ってくる子どもたちを何人も見ました。
日本以上に貧富の差が大きいことを実感するとともに、
どうすれば皆が幸せな社会をつくることができるのか、
そもそも幸せとは何を基準にいえるのだろうかなど、あれこれ考えさせられました。

途中、手配していたバンが来ない、待ち合わせをしていた方と会えないなどといった
トラブルにも見舞われましたが、現地の人々が温かく手を差し伸べてくださったおかげで、
無事に今回のスタディーツアーを終えることができました。
また、宿泊先やタクシー、サファリなどの手配をしてくれただけでなく、
常に私たちの安全をはかってケニア滞在を楽しませてくださった
エラスタスさんには心より感謝しております。

8日間という大変短い滞在期間でしたが、日本とは大きく異なる環境に身を置いたことで、
普段は意識しないような様々な事柄に気づき、私たちの掲げるテーマである
「幅広い視野」に対する理解を深めることができたように思います。
このスタディーツアーで学んだことを後期の活動に生かしていければと思います。

文責:アイセック京都大学委員会 送り出し事業部
   Broadening Horizons Program  妹川陽香